第4章:初めて見る我が子の顔 | ||||||
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![]() ![]() 怖っ! ↑こんなカンジ |
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おいおい。 これじゃまるで、連行される宇宙人じゃんよ。 「キシャー!」 とかって威嚇してるみたいな我が子の顔に、ひなは怯えてしまった。 この状態で出てくるわけではないと分かってはいても、 この状態で腹の中にいるかと思うと、やはりビビってしまう。 『日本人女性、宇宙人を産み落とす』 などというゴシップ新聞の見出しがひなの脳内をグルグルと回っていた。 もうちょっと可愛い顔が見られるかと思っていたひなが甘かったのだろうか。 ダンナはどう思っているんだろうとその表情を伺ってみると、ダンナも何ともいえない表情をしている。 そうだよな。 いくら超音波写真だといっても、こりゃー、あんまりだよな・・・。 担当医は 「うん、順調だね。全然問題ないよー」 とニコニコしながら我が子の顔をプリントアウトして手渡してくれた。 成長の具合は順調で問題ないかもしれないが、違う意味で問題がありそうな気がしてならなかった。 手渡された写真を受け取り、とんでもないブツを入手してしまったというショックを隠しきれなかった。 つーか、コレ、魔よけ・・・? 後日、いろんな人にこの写真を見せてみた。 「怖っ!」 「何これ!」 「うわっ!宇宙人キタコレ!」 感想はどれも似たり寄ったりだった。 実家の母でさえ 「うわー、すごい顔だねぇ・・・」 と言ったきり絶句してしまった。 この宇宙人、あんたの孫だよと言うと、苦笑しながら写真を返してきた。 宇宙人の孫を持った実家母の気持ちは計り知れない。 だが、宇宙人を産むひなの気持ちに比べればまだ気が楽であろう。 しかし、この写真を見て、上のどれにも当てはまらない感想を述べた猛者がいた。 一人は、ダンナの母。 「これ、小さい頃のこの子に似てるわぁ」 小さい頃のダンナに似てる?! Σ(゚д゚lll) すごい衝撃だった。 つー事は、腹の子、ダンナの遺伝子継ぎまくり? それはそれでいいなと思った。 「俺の子!」っていう実感が湧きやすいだろうし。 そしてもう一人の猛者は従姉妹のカオリン。 「うっわー!可愛いー!この写真チョウダイ!」 写真を見るなりそう叫んだかと思うと、ひなの手から写真をひったくった。 「あんた、どんな審美眼持ってんのよ」 「やーんっ!可愛い可愛い可愛い可愛い!かーわーいーいーーッ!キャー!」 聞いちゃいねぇ。 確かに子供が大好きだという事は知っていたが、これほどまでとは思っていなかった。 カオリンのストライクゾーンの広さに感心するばかりだ。 とりあえず写真は奪われたくなかったので携帯のカメラで写真を撮り、メール添付して送りつけてやった。 カオリンは、その写真を待ち受け画面に設定した。 おそるべし・・・。 初めて見る我が子の顔は、衝撃的だった。 でも、きっとこれからもっと肉付きもよくなって可愛い顔になるに違いないと自分に言い聞かせて 次回の検診を楽しみに待つ事にした。 |
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腹の中の我が子に威嚇されたひなとダンナ。 いつかは可愛い表情をみせてくれると希望を抱きながらアルバムに写真を保存した。 そして妊娠も中期に入り、様々なイベントが始まりを告げた。 次回「出産への道」は「母親学級と妊娠した夫」をお送りします。 |
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