第8章 : 怒涛の食事会 | ||||||
新居も決まり、後に残すは最大のイベントのみとなった。 そう。 両親同士の顔合わせってヤツだ。 あつしは早速ベラ・ヴィータの日本料理レストラン「花萌」に予約を入れた。 …が。 数分もしないうちに「花萌」からあつしの携帯に電話がかかってきた。 ↓以下、そのやりとりの様子 「もしもし?」 「あ、先ほど予約をして頂いた花萌ですが…。実は、その日は他の宴会の予約が入っていて、ちょっと無理なんですが」 「え、そうなんですか。じゃあ、少し時間をずらして…って事はできませんか?」 「いえ、宴会が入ってるので」 ??? 「じゃあ、他の日でもいいんで、空いてる日を教えてもらえますか?」 「あー、ちょっと分からないんですよ」 分からないって何だーッ! てゆ〜か、調べられないのかい! あからさまにおマヌケなバイトの兄ちゃんにかまってる暇はない。 あつしは「花萌」をキャンセルし、近くの寿司屋を予約した。 時間は午後7時。 両家は緊張の面持ちで着席していた。 お互いの両親の簡単な紹介を終え、いよいよ料理が運ばれてきた。 最初は緊張して話していた両親も、宴が進み、酒も入る頃になると… 「や〜っだ!あの人と友達だったんですかぁ!」 「そ〜なんですよ!小さい頃、よく遊びに行きましたしねぇ〜」 おほほほほほ。 「ところで、お仕事は今…?」 「いやぁ、先月リストラされちゃいましてね〜」 「………!」 わははははは。 何だか同窓会みたいな感じになってきた。 そのうちに 「ウチの子ってば、子供の時に…」 「やめてー!言わないでーッッ!」 「あらあら、ウチの子なんて中学の時に…」 「その話だけはやめてくれーッ!」 自分の子供の恥話暴露大会。 こんなんなの? 親同士の顔合わせって、こ ん な に 過 酷 な モ ノ な の ? お互いの子供の幼少の頃の恥ずかしい話を披露しあっている親を見つめながら、ひなとあつしは遠い目をして寿司を食べまくっていた。 顔合わせは、こんな感じで和やかに進み、閉店時間ギリギリまで盛り上がり続けた。 「…でもさ、よかったよ。酒が入ってケンカとかにならなくて」 「イヤ、ならんだろ、普通」 一安心しながら、お互いの恥ずかしい話を胸に秘め、ひなとあつしは家路についた。 |
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顔合わせも和やかに終了し、一安心のひなとあつし。 だがしかし!新居をめぐる様々な思惑が二人を襲う!! 次回「結婚への道」は「愛の巣作り大作戦」をお送りします。 |
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